ロストジャッジメント、無事ストーリークリアしました。
このシナリオについては語りたいこともあったので書いちゃいます。
面白かったところ
事件のトリックについて
今回の事件では、片方の事件をアリバイに、殺人の罪を逃れるというもの。
痴漢は全てでっちあげで、全員が協力者というのはとんでもトリックだなと思いました。
自分もこのトリックに気づけたのは八神たちが推理の中でした。「被害者が泣き寝入りしたら成立しない」「そのまま逃げられたらおしまい」など、計画性の中に運任せの要素があるのはおかしい、というところでハッとしましたね。被害者がグルなのはわかりましたが、撮影者も取り押さえる人も全員というのはビックリでした。
今回のテーマの一つと言える「法の不完全さ」を訴えるうえで、こういうトリックを用意できたのは素直に凄いと思いました。初見じゃ分からんて…。
舞台となる異人町
今作のメイン舞台は異人町。龍が如く7、一番が活躍した場所でした。
あまり同会社の作品だからとコラボしすぎると未プレイ者が追い付けなくなって冷めることもありますが、7をやっているとニヤっとできるような要素を散りばめていた点はよかったです。
横浜流氓のアジトを始めコミジュルとも接触がありましたし、なんなら趙さんがスポット出演してたのは面白かったです。7をプレイした思い出を振り返りながら遊べたのも、今作の良さの一つでした。
気になったところ
澤先生と事件の被害者
気になったところの一つとして、後半のキムタクの「澤先生」連呼。
確かに、今作の事件のメイン被害者は澤先生でした。御子柴については今回の事件の最初の被害者であり、スポットライトを当てられるものの、善人でもないことからそこまで感情を揺さぶられることもなかったです。
しかし、逆に言えば、今回の被害者は澤先生しかいなかったということになります。御子柴も桑名による犠牲者も、全てプレイヤーの感知するところの外で起きており、感情移入は出来ません。
前作ではモグラの被害者として新谷先生や松金組のおやっさんを始め、主人公の周りでも犠牲がいくつか出ました。そうした経緯があるからこそ、犯人を追うことへのモチベも、今までの犠牲者ためにもプレイヤーも感情移入しながらプレイできました。
一方で、今回の被害者は澤先生のみ。それゆえにキムタクも今回の事件の究明における楠本玲子や桑名に対する説得材料も、「澤先生の死の真実を闇に葬らないため」としか言うことが出来ず、ずっと澤先生澤先生と言うしかなかったのかなと思っています。
RKの存在感の薄さ
今回のメイン敵勢力であるRK。玉木宏が演じる相馬のキャラはなかなかぶっ飛んでおり、その残忍性や尻尾を掴ませない慎重な性格もあって、いざ出てきた時のインパクトはなかなかでした。
一方で、最終局面では八神に敗北しそのまま逮捕でフェードアウト。メインの敵にしては散り際があっさりしすぎていて、もう一捻り欲しかったのが正直なところでした。(まぁ桑名をラスボスに据えてしまったらこうなるのは避けられなかったのかもしれませんが。。。)
終盤八神たちが追いかけたRKの黒幕も結局公安の坂東でした。こちらも逮捕で終了。結局八神が突き止めたかったのは黒幕である公安をどうやって表舞台に引きずりだすのかという話になってしまったので、「公安」と「坂東」が出た時点からこれ以上の盛り上がりが無かった印象でした。
前作の後半明らかになる事実と展開を比べると、今作の後半はあまり盛り上がらなかったなーという感想でした。
桑名の最後について
今作のキーマンである桑名。イジメ加害者に私的制裁を加え、法では守られない弱者を救済することを正義としていました。
この桑名ですが、ラストの戦闘を最後に姿を消してしまいます。作中では7人ものイジメ加害者を殺したという事実があるにも関わらず何のお咎めなしなのが気になった人もいるんだろうなと思いました。(何となくToVのユーリの時と同じ流れを感じる…。)
ただ、桑名は今回のテーマで言えば「不完全な法故に裁くことができない人間」の象徴なので、今回のような消息不明として幕を引くのが正しい流れだったのかなと思います。今後桑名が「いじめ加害者を殺さない」でどう行動に示していくのか、想像が膨らみますねぇ!
まとめ
以上、ストーリーの感想でした。
まとめてみると、イジメをテーマにした正義や法について考えさせられる、江沢の事件回りや事件の全貌が明らかになる過程が面白かったものの、後半の展開やエンディング周りは前作よりも盛り上がりに欠ける、というのが個人的な感想でした。
気になる部分もありましたが、ユースドラマをすっぽかして本編やりたくなる程度には面白い作品でした。トロコン頑張ります…!